【入試対策】ディリクレの原理とその使い方

更新日時:2020/09/15

数学ディリクレの原理問題回答

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前置き

プロローグ

どうも、安田です。
唐突ですが、ディリクレの原理という言葉をご存知でしょうか。鳩の巣原理とも呼ばれるこの原理は以下のようなものです。

[ディリクレの原理]
$n<m$として、$n$個の箱に$m$個のものを入れ分ける場合、必ず2つ以上ものが入る箱が存在する。

非常に簡単な原理ですが、数学においてはこの原理の存在を知っているかどうかという事が重要になる事があります。
難関大入試などでは、この原理を用いて証明する問題が出題されやすいのではないでしょうか。今回はこの原理がどのような時に使えるのかを紹介します。

問題の提示

ディリクレの原理は存在証明に使われる事が多い(私はそれ以外の使い方をあまり知らない)ですので、今回解く問題はどちらも証明問題です。
初歩的な問題と発展的な問題を紹介します。

基本:(1) $x$軸上の$0 < x \leqq n$に$n+1$個の異なる点を取ると、距離が1未満の2点が必ず存在する事を証明せよ。(nは整数)

発展:(2) 1辺の長さが2の立方体内に9つの点があり、それらを中心とした半径1の球がある。この時、2つの交わる球が必ず存在する事を証明せよ。

それでは問題回答へ移ります。

問題回答

基本:(1)

この問題は、いかにもディリクレの原理だ、と思わされるものです。存在証明において、$n$と$n+1$が出てきたら、ディリクレの原理で解けないかという事を意識すると良いです。

解法

数直線上の $k-1 < x \leqq k$ の($k$は整数)の範囲を$A_k$とする。
$0 < x \leqq n$ は、$A_k(1 \leqq k \leqq n)$ の範囲を足し合わせたものである。
ここで、$A_k$ は $n$ 個存在するので、これらに$n+1$個の点を入れ分ける時、ディリクレの原理より必ず2つの点が入る$A_k$が存在する。
$A_k$内の2点の距離は1未満であるので、距離が1未満の2点が必ず存在する。

これが基本的な解き方です。
同じ範囲内での存在を示すという解法によく使われるイメージです。
ちなみに、この問題をディリクレの原理無しで証明する方法はありますが、本当にそれですべてを説明できるのかという点の説明が厳しいです。ディリクレの原理は素晴らしいですね。

発展:(2)

次は発展問題です。
難問では、思わぬ所でディリクレの原理を使います。どこでディリクレと気づけばいいのか、という事ですが、やはり繰り返す通り「個数」についての記述があったら、ディリクレの原理を疑うべきかなと私は考えています。

解法

1辺の長さが2の立方体を、1辺の長さが1の立方体8つに分けて考える。
この時、この8つの立方体に9つの点を分け入れると、必ず2つの点が属する立方体が存在する。
1辺の立方体内の2点の距離は、立方体の対角線の長さに満たない。対角線の長さは \[ \sqrt{1^2 + 1^2 + 1^2} = \sqrt{3} \] である。ここで、2つの半径1の円が交わらないような中心の距離は$2$より大きくなければいけない。
しかし、中心の距離は$\sqrt{3} < 2$に満たない。
よって2つの交わる球が必ず存在する。

ディリクレの原理と気づけばそこまで難しくない問題です。逆に気づけないと全く解法が分からないという事があります。
数列の問題でも出題されやすいです。是非頭の中に留めておいてみてください。
それでは、お疲れさまでした。

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