【受験数学】漸化式一覧の解法

更新日時:2020/11/22

数学問題回答受験数学分からない人向け数列

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どうも、安田です。
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数列解法

初級レベル

まずはじめに最も簡単な数列から始めます。難しい数列の問題も最終的にこの形に持ってくることが多いので、数列の問題では常にこの形を予想しておく事が大切です。
以下の形です。

\[ (1) a_{n+1} = a_n + d \] \[ (2) a_{n+1} = ra_n \] \[ (3) a_{n+1} = pq_n + q \ (p \neq 0) \]

恒等数列は扱い方が初級ではないので省きました。

(1)の解
直感で分かると思うので、解を暗記するだけで良いです。

\[ (1) a_n = a_1 + d(n-1) \]

どうしてもしっかりとした導出方法が知りたいと思う方は、$f(n)=a_n$ とおいて漸化式を微分すれば $f'(n)$ が定数関数(もしくは周期関数だが結果は同じなので定数関数として計算したほうが早い)となるので、$a_n$ が $n$ の一次式で表されることが分かると思います。

(2)の解
こちらも直感で分かるので、解を暗記するだけで良いです。

\[ (2) a_n = r^{n-1} a_1 \]

導出の過程は(1)で書いたものと同じです。(微分して形が変わらない→指数関数と分かる。)

(3)の解
正直直感では分かりにくいので、「知っている形へ変形する」という基本的な数学の考え方をおさらいした上で、答えを覚えましょう。そこまで難しくないのでこれも暗記で良いです。

\[ \displaystyle (3) a_n = p^{n-1}\left(a_1 + \frac{q}{p-1}\right) - \frac{q}{p-1} \] <特性方程式の意味と使い方>
等差数列の形に持っていきたい。その等差数列と $a_n$ の差を $\alpha$ と置くと、 \[ a_{n+1} - \alpha = p(a_n - \alpha) \] となり、これと漸化式を比較する事により、 \[ \alpha = p\alpha + q \] と、よく知られる特性方程式が完成する。また、これを解けば1つ目の式の形に持っていけるので、そこから等差数列 $\{a_n - \alpha\}$ について解けばよい。

この導出方法は書いた通り「知っている形へ変形する」です。納得しない方は、これも微分すれば等差数列と同じ形になるから、そこに積分定数が付いただけだと考えてみると良いです。

以上が初級の数列です。

中級レベル

中級以上の問題を解く場合は、まず以下の考え方を理解しておいてください。頻出です

\begin{eqnarray*} \sum_{k=1}^{n} (a_{k+1} - a_k) &=& a_2 - a_1 + a_3 - a_2 + \cdots + a_{n+1} - a_n \\ &=& a_{n+1} - a_1 \end{eqnarray*} (分かりずらかったら↓) \begin{eqnarray*} \sum_{k=1}^{n} (a_{k+1} - a_k) &=& \sum_{k=2}^{n+1} a_k - \sum{k=1}^{n} a_k \\ &=& a_{n+1} - a_1 \end{eqnarray*}

これ以降は種類が多いため、書ききれません。かといって一般形で書くと解説というより研究に近くなるので、例を挙げます。

(4)階差型 \[ a_{n+1} = a_n + n^2 \] (5)階差型の発展 \[ a_{n+1} = 2a_n + 3^n \] (6)恒等数列型 \[ na_{n+1} = (n+3)a_n \]

まだ怖気づくべき難易度ではありません。知っている形へ持っていけないか探すと簡単に解けます。

(4)の解
最初に書いたシグマの計算方法を使います。

漸化式から \begin{eqnarray*} a_{n+1} - a_n &=& n^2 \\ \sum_{k=1}^{n} ( a_{k+1} - a_k ) &=& \sum_{k=1}^{n} k^2 \\ a_{n+1} - a_1 &=& \frac{1}{6} n(n+1)(2n+1) \\ a_{n+1} &=& a_1 + \frac{1}{6} n(n+1)(2n+1) \end{eqnarray*} 今回の場合は $n=0$ でも成り立つため \begin{equation} a_n = a_1 + \frac{1}{6} n(n-1)(2n-1) \end{equation}

導出の過程に関しては初級の方が難しいです(直感で理解できるモノの説明は難しい)。

(5)の解
頻出です。大体この形しか出題されないですので、暗記で良いと思います。

漸化式を $2^{n+1}$ で割ると \begin{equation} \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} = \frac{a_n}{2^n} + \frac{1}{2} \left( \frac{3}{2} \right)^{n} \end{equation} となる。(5) 同様に階差の計算をすれば \begin{eqnarray*} \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} - \frac{a_1}{2} &=& \frac{1}{2}\sum_{k=1}^{n} \left( \frac{3}{2} \right)^n \\ \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} - \frac{a_1}{2} &=& \frac{3}{4} \cdot \frac{\left(\frac{3}{2}\right)^n - 1}{ \frac{3}{2} - 1 } \\ \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} - \frac{a_1}{2} &=& \left(\frac{3}{2} \right)^{n+1} - \frac{3}{2} \end{eqnarray*} 今回の場合は $n=0$ でも成り立つため、式を整理して \begin{equation} a_{n} = (a_1 - 3)2^{n-1} + 3^n \end{equation}

(6)の解
解ける漸化式は全て恒等式へと変形する事が出来ます。特に、漸化式の両辺が単項式の場合は用意に恒等式へと変形する事ができます。
恒等式は定数でおけるので、そこから解を導きます。

\begin{eqnarray*} na_{n+1} &=& (n+3)a_n \\ \frac{a_{n+1}}{(n+1)(n+2)(n+3)} &=& \frac{a_n}{(n(n+1)(n+2)} \end{eqnarray*} よって \begin{equation} \frac{a_n}{n(n+1)(n+2)} = \mathrm{Const.} = C \end{equation} とおける。$n=1$ を代入すれば \begin{equation} C = \frac{a_1}{6} \end{equation} が求まる。よって \begin{equation} a_n = \frac{n(n+1)(n+2)}{6} a_1 \end{equation} である。

もしかしたら(1)~(3)よりも簡単かもしれません。

上級レベル

上級レベルでも、共通テストにすら、誘導ありきだとしても出うると思います。
ここでも一例としての問題を提示します。

(7)階差型の発展2 \[ a_{n+1} = n(n+1) a_n + (n+1)!^2 \] (8)逆数型 \begin{equation} a_{n+1} = \frac{a_n^2}{2a_n + 1} \end{equation} (9)3項間漸化式 \[ a_{n+2} = a_{n+1} a_n \]

(7)の解
階差型の漸化式の $a_n$ の係数が $n$ についての関数となっている場合です。
これは(5)のように考えるのがコツです。まず、$n$ の関数で割って見るという事を試します。$a_{n+1}, a_n$ の項だけに着目して考えます。 \begin{equation} \frac{a_{n+1}}{f(n)} = \frac{n(n+1)}{f(n)} a_n + \cdots \end{equation} この時の係数がそれぞれ同じ関数に $n, n+1$ を代入した形となればよい。この条件を数式にする。 \begin{eqnarray*} \frac{1}{f(n)} &=& \frac{(n+1)(n+2)}{f(n+1)} \\ f(n+1) &=& (n+1)(n+2) f(n) \end{eqnarray*} この数式に一瞬混乱する方もいるかもしれませんが、単純に左辺の $f(n)$ に漸化式を代入し続ければ、$f(n) = n!(n+1)!$ がこの形を満たす事が分かるので、特に心配する必要はありません。
上の考えを基に問題を解きます。(上の部分の記述は「思いつく過程」なので試験で記述する必要はありません。特性方程式と同様です。)

漸化式を $n!(n+1)!$ で割ると \begin{equation} \frac{a_{n+1}}{n!(n+1)!} = \frac{a_n}{n!(n-1)!} + n + 1 \end{equation} よって \begin{eqnarray*} \sum_{k=1}^{n} \left(\frac{a_{k+1}}{k!(k+1)!} - \frac{a_n}{n!(n-1)!} \right) &=& \frac{1}{2} n(n+1) + n \\ \frac{a_{n+1}}{n!(n+1)!} - a_1 &=& \frac{1}{2} n(n+3) \end{eqnarray*} である。これは $n=0$ の時も成り立つので \begin{equation} a_n = n!(n+1)!a_1 + \frac{1}{2} n!^2(n+3) \end{equation}

導出の過程はシンプルなので、閃きは必要ありません。

(8)の解
逆数型とは私が名付けたものですが、名前で解き方がネタバレされています。分数式となっていればこの解き方を疑うべきです
なお、この手の問題は逆数でおきかえると分かったら簡単に解ける事が確信できます。なぜなら、おきかえても難しい場合はほとんどの受験生が気付かないからです。大学入試でそれは大学側の失敗にあたります。

\begin{equation} b_n = \frac{1}{a_n} \end{equation} と置くと、漸化式は \begin{equation} \frac{1}{b_{n+1}} = \frac{1}{2b_n + b_n^2} \end{equation} となる。これを変形して \begin{eqnarray*} b_{n+1} &=& b_n^2 + 2b_n \\ b_{n+1} + 1 &=& (b_n + 1)^2 \\ b_{n+1} + 1 &=& (b_1 + 1)^{2^n} \end{eqnarray*} すなわち \begin{equation} b_n = (b_1 + 1)^{2^{n-1}} - 1 \end{equation}

$\{b_n\}$ の解き方は閃き要素が強いです。この形は、$b_n = kc_n$ とおいて、解ける形を探します。受験ではあまり重要じゃないですので、うろ覚えで良いです。

(9)の解
3項間漸化式は難しい形の場合も、大概一次式へと変形します。どうすれば一次式へ変形されるのか考えると解けます。

漸化式の対数を取ると \begin{equation} \log(a_{n+2}) = \log(a_{n+1}) + \log(a_n) \end{equation} となる。 ここで、 \[ b_n = \log(a_n) \] とおく。

1次式の3項間漸化式は、特性方程式を用いれば解けます。特性方程式は、$n+k$ 項目を $x^k$ におきかえた式となります。
今回の場合は、 \[ x^2 = x + 1 \] すなわち \begin{equation} x = \frac{1 \pm \sqrt{5}}{2} \end{equation} となります。この値を用いて、以下のように変形出来ます。(導くための道具ですので、記述する必要はありません。)

漸化式は \begin{equation} \begin{cases} b_{n+2} - \frac{1 + \sqrt{5}}{2} b_{n+1} = \frac{1 - \sqrt{5}}{2} \left( b_{n+1} - \frac{1 + \sqrt{5}}{2} b_n \right) \\ b_{n+2} - \frac{1 - \sqrt{5}}{2} b_{n+1} = \frac{1 + \sqrt{5}}{2} \left( b_{n+1} - \frac{1 - \sqrt{5}}{2} b_n \right) \end{cases} \end{equation} と変形できるので、これらを解いて \begin{equation} \begin{cases} b_{n+1} - \frac{1 + \sqrt{5}}{2} b_n = \left( \frac{1 - \sqrt{5}}{2} \right)^{n-1} \left(b_2 - \frac{1 + \sqrt{5}}{2} b_1 \right) \\ b_{n+1} - \frac{1 - \sqrt{5}}{2} b_n = \left( \frac{1 + \sqrt{5}}{2} \right)^{n-1} \left(b_2 - \frac{1 - \sqrt{5}}{2} b_1 \right) \end{cases} \end{equation} となる。2式の差を取る事により \begin{eqnarray*} \sqrt{5} b_n &=& \frac{2b_2 - (1 + \sqrt{5})b_1}{2} \left( \frac{1 - \sqrt{5}}{2} \right)^{n-1} + \frac{2b_2 - (1 - \sqrt{5})b_1}{2} \left( \frac{1 + \sqrt{5}}{2} \right)^{n-1} \\ b_n &=& \frac{1}{\sqrt{5}} \left( \frac{2b_2 - (1 + \sqrt{5})b_1}{2} \left( \frac{1 - \sqrt{5}}{2} \right)^{n-1} + \frac{2b_2 - (1 - \sqrt{5})b_1}{2} \left( \frac{1 + \sqrt{5}}{2} \right)^{n-1} \right) \end{eqnarray*} となる。

あとは $b_n$ を $a_n$ に変形するだけですが、式が長くなるのでここで終わりにしておきます。
なお、1次(線形) $k$ 項間漸化式の特性方程式は、$a_{n+k}$ を $x^k$ でおきかえたものになるそうです。(参考:漸化式の特性方程式の意味とうまくいく理由 | 高校数学の美しい物語

以上で受験数学の数列(漸化式)は大体コンプリート出来たと思います。
それでは、お疲れさまでした。

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